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2026年10月8日16時00分~2026年11月8日11時59分まで
導入ストーリー
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| ドクター: …… |
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| アーミヤ: ドクター、どうして一人で資料室でボーッとしてるんですか? |
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| ドクター: アーミヤ……ちょうどいいところに来てくれた。 |
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| ドクター: 古いファイルを整理していたら、 ケルシーが残した書類を見つけたんだ。 |
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| ドクター: 正式な報告書ではなく、 どちらかというと……走り書きのようなものだ。 |
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| アーミヤ: ケルシー先生の……ノートですか? |
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| ドクター: ああ。いくつかの地名や、彼女が見聞きしたことが記されている。 |
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| ドクター: ケルシーは我々のことをよく知っている。 だからこそ、我々が壁にぶつかった時、 彼女はいつも有効な助け船を出してくれた。 |
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| ドクター: その一方で我々は、彼女がこれまでどう生きてきたかについて、 ほとんど何も知らないんだ。 |
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| ドクター: このノートは……ケルシーの過去に迫ることができる 数少ない手がかりかもしれない。 |
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| ドクター: だから、ここに書かれた場所に行ってみたい。 |
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| ドクター: 何か答えを求めているわけではない。 |
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| ドクター: ただ……彼女のことをもっと知りたいだけだ。 |
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| サベージ: じゃあ……出発の準備をしよっか。 |
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| アーミヤ: えっ!? サベージお姉さん、どうしてここに? |
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| サベージ: ちょうどケーキが焼き上がったから、 アーミヤちゃんとドクターに持ってきたの。 結果的に二人の話を立ち聞きすることになっちゃった。 |
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| サベージ: 実はちょうど少し前に任務が終わったばかりで、 出かけたいなって思ってたところなんだよね。 |
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| サベージ: 二人とも、旅の仲間が一人増えても気にしないよね? |
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| アーミヤ: もちろんです! なんだか今の状況、 ドクタ一と出会ったばかりの頃を思い出しますね。 |
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| ドクター: …… |
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| アーミヤ: ではドクター、サベージお姉さん、一緒に行きましょう。 |
チュートリアル
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| サベージ: ドクター、ここが今回の旅の出発点であり、終着点です。 |
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| サベージ: 旅の途中では、たくさんの分かれ道に出会います。 ドクターのお好みに合わせて、進む道を選んでくださいね。 |
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| アーミヤ: 今回の旅では、きっと面白いことにたくさん出会えそうですね。 |
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| サベージ: ただ、今回は長い旅になりますから、 来た道を戻るのはなしにしましょう。 |
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| アーミヤ: ドクター、ほかにも行ってみたい場所があるなら、 また時間のある時に私がお供しますね! |
地図
サルゴン
パッセンジャー
パッセンジャー
『ドクター、やはりあなた様方でしたか。』
ドクター
『パッセンジャー、どうしてここに?』
パッセンジャー
『少し前、正体不明の砂賊の集団がこちらに現れましてね。頻繁に通りすがりの商人に略奪を働いておりました。』
『強奪された貨物の中にはロドスの抑制剤も含まれていたため、こうして私が調査に赴いたのですよ。』
アーミヤ
『そうだったんですね。ではパッセンジャーさん、私たちも手伝わせてください!』
パッセンジャー
『お手を煩わせることはありません。すでに人を遣ってこの件に対処する手はずは整えております。賊は数日中に、大人しく貨物を返すでしょう。』
『ですが、あなた様方もまた、何故こちらに?』
サベージ
『ドクターと一緒に、ケルシー先生の過去に関する手がかりを探してるの。』
アーミヤ
『あっ、そういえばパッセンジャーさんはケルシー先生と昔からお知り合いでしたよね。もしよろしければ、 ケルシー先生のお話を聞かせていただけませんか?』
パッセンジャー
『……』
『何か知りたいことがおありなら、私と共に間市へいらっしゃるといいでしょう。そこでなら、お求めの手がかりが見つかるやもしれません。』
闇市
パッセンジャーに案内され、あなたたちは歴史あるサルゴンの闇市へとやって来た。見慣れない顔が現れたからか、間市の人々があなたたちを密かに値踏みする視線を感じる。悪意あるものも多いが、あなたの傍らにいるパッセンジャーに気付くと、それらはすぐに収まった。
「サンドソルジャー、お久しぶりですな。」
パッセンジャーは、あなたたちをとある年老いたフィディアの家へ案内した。老人は彼に微笑みながら挨拶をした。
「シャル翁、私の友人たちがこの闇市の歴史に大変興味を抱いておりましてね。」そう言ってパッセンジャーが数枚の金貨を手渡すと、老人は闇市の由来を語り始めた。
昔々、この地はとあるフェリーンの女性によって統率され、市場の秩序が保たれていた。彼女は非常に真っすぐな人物で、商人たちの諍いには公正な裁定をなし、砂賊から商人を守る護衛隊も組織した。その甲斐もあってか、かのフェリーンの下で、この地は瞬く間にサルゴン随一の市場となった。
しかしある日、そんな彼女が突如として行方をくらませた。それからしばらくの間は、彼女の帰還を待つかのように人々も秩序を保っていたものの……
崩壊は早いものだった――商品の値付けは安心して取引を行えるものではなくなり、商人たちの争いを止める者もおらず、この地にかつての平穏が戻ることは二度となかった。
【そのフェリーンはどこへ行った?】
「諸王の王の召喚を受けて黄金の都市へ向かったと言う者もいれば、キャラバンでその姿を見たと言う者もいますな。」
その情報を得た後、あなたたちは老人に感謝の意を伝え、パッセンジャーに連れられて闇市を後にした。
パッセンジャー
『ドクター、私が何を考えているかはお見通しでしょう。 関市のかつての指導者は、彼女を彷彿とさせます。そうは思われませんか?』
【市場はその後どうなった?】
「ご覧の通り、今とても荒れておりますな。サンドソルジャーが同行していなければ、あなた方がここを無事に離れられるかは未知数でした。」
その情報を得た後、あなたたちは老人に感謝の意を伝え、バッセンジャーに連れられて闇市を後にした。
パッセンジャー
『ドクター、私が何を考えているかはお見通しでしょう。 関市のかつての指導者は、彼女を彷彿とさせます。そうは思われませんか?』
遭遇
「モォォッー」一行を乗せた車が砂漠を走っていると、少し離れた場所から突如として駄獣の鳴き声が上がった。幾度か聞こえてくる声の方向にあなたが視線を向けると、駄獣の群れを連れて進む一人の地元の商人が見えた。
「ドクター、この方にこの辺りにケルシー先生の手がかりがないか聞いてみましょうか。」アーミヤの提案で、あなたたちは車を降りてその年老いた商人に話しかけた。
「白髪のフェリーンねぇ、記憶にあるような、ないような……」商人は懸命に思い出そうとしている風に見えたが、その眼差しにはいかにも狡猾な本性が滲み出ていた。
【数枚の硬貨を取り出し、商人の手に握りこませる。】
「おおっと、そうそう思い出しましたよ。あっちです!」
商人は満面の笑みで硬貨をポケットにしまい込むと、かつてオアシスの遺跡の壁画で、白髪のフェリーンを見たことがあると言って、進むべき方向を指し示した。
アーミヤ
『先ほど話に出てきた遺跡に行ってみましょう、ドクター。』
【もう一度よく思い出してほしいと頼む。】
商人は、あなたが彼の意図を理解していないのを見て、顔を曇らせて相手にするのをやめた。彼が踵を返して立ち去ろうとしたその時、背後から突然「ドンッ」という音が聞こえた。
「あっ、ごめんね、ドクター。ちょっと手が滑ってハンマーを落としちゃった。」サベージが少し申し訳なさそうに言った。彼女の横にはハンマーでできた巨大な穴があった。
「お、思い出しました! あそこのオアシスの遺跡です!」商人は震えながら進むべき方向を指し示すと、足早に駄獣を追って去っていった。
サベージ
『あはは、ドクター大丈夫? 驚かせちゃったかな?』
オアシス
先に進むにつれ、砂の海の中に不自然に浮かび上がる一筋の縁――それは古のオアシスだった。しかし緑の間には多くの廃墟が散在し、折れた石柱が砂に半ば埋もれ、残ったアーチが孤独に空を指している。壁のレリーフは風砂に削られ、曖昧な輪郭だけが残っていた。
「ドクター、こちらに! 見てください!」
アーミヤの声が聞こえる方へ行くと、廃墟の中の崩れた壁の一部に、思いがけず壁画が残されているものがあった。どれも色褪せ、風化して細部はぼやけているが、大まかな内容は読み取れる。それはこのオアシスの遺跡の歴史を語っていた。
かつて、人々は戦火から逃れるために、とあるフェリーンに率いられてこの地へやって来た。彼女は家屋を建て、狩猟や農耕の技術を伝えた。人々はそれに感謝し、彼女をパーディシャーと崇め、この地に新たな故郷を築きだした。
【壁画に描かれたフェリーンの容貌を注意深く観察する。】
壁画のフェリーンの髪は灰白色に見えるが、これが風化による退色なのかは定かでない。壁画の保存状態がもう少し良ければ、さらに有用な手がかりが得られたかもしれない。
アーミヤ
『ドクター、このパーディシャー、なんだかケルシー先生に似ていると思いませんか?』
【ここが廃墟と化した原因を探す。】
ここが廃墟と化した原因を探そうとしたが、壁の後半はすでに崩落し、続きを知ることはできなかった。この砂漠のどこか別の場所に、まだ手がかりがあるかもしれない。
サベージ
『壁画のこの人、なんだか見覚えがあるような……?』
ペペ
ペペ
『なんで今日はこんなに暑いんだろう。これじゃあ目的地に着く前に、飲み水がなくなってしまうじゃないか……』
『おや、あちらに車があるな! どこに行くのか聞いてみよう。もし同じ方向ならば、乗せてくれるかもしれない!』
『しかし、あの車に乗っている者たち、見覚えがあるような……あっ、ドクターにアーミヤ、それにサベージだ! ドクター! こっちこっち!』
アーミヤ
『ぺぺさん、どうしてここに!』
ペペ
『この近くにフェリーンパーディシャーの神殿の遺跡があるって聞いて、調査に来たのさ! まさか君たちにバッタリ会うとはびっくりだよ!』
ドクター
『フェリーンパーディシャー……』
サベージ
『ドクター、わたしたちもぺぺちゃんについて行ってみない? 何か手がかりが見つかるかもしれないよ。』
ドクター
『確かにそうだ。ペペ、自分たちもその遺跡に連れて行ってくれないか?』
ペペ
『任せて!』
遺跡
「着いた着いた、ここだ!」ペペの興奮した声に導かれ、皆は神殿に入った。神殿の中央には寂れた巨大な像が静かにそびえ立っている。頭部は風砂に侵食されていたが、輪郭からフェリーンの彫像だと辛うじて判別ができた。
「この彫像はかなり古くてね。彫刻の様式や風化の具合からすると、諸王の王ルガサルグスが姿を消した後のサルゴン内戦時期まで遡るはずなんだ。」
彫像を興味深そうに見つめているあなたたちを見て、ぺぺは熱心に解説してくれた。
「外見だけ見ると、同時期の他のパーディシャーが建てた彫像と大きく異なる部分はないが、この彫像の最大の特徴は、パーディシャ一自身の命令で建てられたものではなく、彼女の功績を称えて部族の人々が自発的に建てたものだという点さ!」
「だが、このフェリーンパーディシャーの事績について、史書から詳しい記述を見つけることはできなかった。細かい部分が意図的に消されたみたいでね。今回私がここに来たのも、彼女に関する手がかりをもっと探したかったからなんだ!」
【このパーディシャーの外見に関する描写はあるのだろうか?】
「詳細な描写はなかったけど、あまり笑わない女性のパーディシャ一だったことだけはわかっているね。しかし壁画の色からすると、髪は白色だったみたいだ。」
ペペの解説を聞き終えたあなたは既に、パーディシャーの正体について見当がついているかもしれない。
「さてと、ドクター。私はもう少しここに残るから、用があるなら私を待たないで先に発ってくれたまえ。」
ペペに別れを告げ、一行は再び旅の途についた。
ペペ
『ドクターがフェリーンパーディシャーの事績にここまで興味を持つなんて思っていなかったよ。何か新しい発見があったら、すぐに知らせよう!』
【このパーティシャーはその後どうなった?】
「史書によると、部族が繁栄し始めた頃から彼女は徐々に権力を手放して臣下に委ね、その後に謎の失踪を遂げたようだ。人々は行方を捜したのだが見つからず、結局記念の彫像を作るほかなかったそうだよ。」
ペペの解説を聞き終えたあなたは既に、パーディシャーの正体について見当がついているかもしれない。
「さてと、ドクター。私はもう少しここに残るから、用があるなら私を待たないで先に発ってくれたまえ。」
ペペに別れを告げ、一行は再び旅の途についた。
ペペ
『ドクターがフェリーンパーディシャーの事績にここまで興味を持つなんて思っていなかったよ。何か新しい発見があったら、すぐに知らせよう!』
サーミ
遭遇(右)
「そちらのお客様方、我が社がつい先ごろ打ち出したサーミ五日間遊びまくりツアーにご興味はありませんか!」スキー帽を被り、腰に小型メガホンを下げたリーベリの男性がそう声をかけてきて、彼のガイドするサーミツアーに参加するよう勧誘を行ってきた。
「当ツアーは現地のサーミ部族とがっつり提携しており、サーミ人の日常を体験できます。部族のお年寄りが彼らの見て来た歴史や文化を語ってくれますし、運が良ければ大樹と巨大なゴーレムが共に歩く姿が見られるかも。他ではなかなか体験できませんよ!」
【良さそうじゃないか?】
(もしかしたらその部族の歴史に、ケルシーの過去に関する手がかりがあるかも。)そう思いながら、あなたはこのガイドにツアーの詳細を尋ねようとした。
「そいつを捕まえろ、逃がすな!」
突然、背後からの大声と共に観光客らしき集団が激しい剣幕で駆け寄ってきた。ガイドは顔色を変え、慌ててあなたたちを置いて逃げ去った。
あなたたちの怪訝そうな顔を見て、彼らは先ほどのガイドの悪行を怒りのままにぶちまけた。「遊びまくり」というが、五日間のツアーで現地の特産品店に六回も連れ込まれた上に、行く先々で様々な理由をつけてオプション費用を請求され、その合計は参加費すら超えていたという!
サベージ
『今のご時世、サーミにもこんな悪徳ガイドが出てくるようになったんだね……』
サンタラ
サンタラ
『ドクター。』
ドクター
『サンタラ、久しぶりだな。どこかに行くところか?』
サンタラ
『この先に、とある部族が移動した跡地がありまして、そこへ彼らが移動した原因を調査しに行きます。』
サベージ
『サーミの部族には少なくとも一本の「族樹」があって、部族が移動する時には、その「族樹」も全部立ち上がってみんなと一緒に動くらしいね。』
サンタラ
『その通りです。ですが部族の雪祭司が移動の啓示を得なかった場合、誰であろうと「族樹」を動かすことはできません。』
『サーミだと部族の移動はよくあることなのですが……今回移動した部族からは、少し不穏な噂が流れています。』
『ドクター。もしかしたらあなた方の手助けが必要になるかもしれません。』
ドクター
『問題ない。それじゃあ一緒に向かおう。』
跡地
「こちらです。」サンタラについて跡地にやって来たあなたたちは調査を開始した。 多くの部屋は慌てて荒らされた跡があり、日用品が散乱していることから、彼らが急いで撤退したことが窺える。
「汚染や戦闘の痕跡はありません。きっと部族の雪祭司が何かを予知して、急いで移住を進めたのでしょう。」
調査を終えて一息ついたサンタラは表情をやわらげ、床に落ちていた奇妙な角笛に釘付けになっているあなたに気付いた。あなたが興味を抱いていると思った彼女は、 角笛の用途を説明してくれた。
これは岩角笛という、サーミ人が仲間を呼ぶ際によく使う道具だそうだ。この角笛の音は、厳しい寒風の中でも遥か遠くまで届く。かつて、とある部族の戦士たちは 『アンドスコターニル』と呼ばれる敵との過酷な戦いにおいて、じりじりと追い詰められ敗北の淵に立たされたことがあった。その窮地を救ったのが、とあるフェリーンの雪祭司が鳴らしたこの角笛で、響き渡る角笛の音を聞いて、 他部族の戦士たちがこぞって援軍に駆けつけた。それに呼応して戦士たちの士気も大いに上がり、見事反撃に転じることができたそうだ。
【その戦いの結果は?】
「サーミ人は怪物を撃退しましたが、戦士たちの被害も甚大でした。岩角笛を吹いたあの雪祭司も、戦場へ消えていきました……」
サンタラ
『ドクター、サーミで助けが必要になった時は、この角笛を吹いてください』
【アンドスコターニル……】
「ドクター、もうお察しだと思いますが、アンドスコターニルは現在『悪魔』と呼ばれている存在です。つまり、サーミの戦士たちは現在も彼らと戦い続けているのです。」
サンタラ
『ドクター、サーミで助けが必要になった時は、この角笛を吹いてください』
部族
遠くにある岩のゴーレムがあなたたちの興味を引いた。似た創造物は今までも見たことがあるが、その頭部にはフェリーンの耳のような一対の突起があり、あなたたちを驚かせた。部族の入り口に着くと、シャーマンを自称する老人が迎えてくれた。驚くべきことに、ここのゴーレムはどれもフェリーンの耳のような突起がある。あなたたちの不思議そうな表情を見たシャーマンの老人は、像の形の歴史について語り出した。
昔、部族の大移動の途中に「アンドスコターニル」という名の恐ろしい怪物に遭遇した。状況を知った他部族のフェリーン雪祭司がやってきて、皆と共に怪物の攻撃に抗い、部族を危機から助けた。部族の人々はその雪祭司への感謝を示すために、今後ゴーレムには全てフェリーンの耳の造形を入れると提案した。
【このフェリーンの雪祭司についてもっと詳しく知りたい】
「彼女はあの後すぐに去り、我々の先祖が会うことは二度とありませんでした。」
シャーマンの老人は首を振り、彼女についてはこれ以上わからないと答えた。別れ際、老人から贈り物として小さなゴーレムの彫像を渡され、あなたたちは改めて彼に感謝を伝えた。
アーミヤ
『ドクター、この彫像、本当にかわいいですね!』
【この耳、とてもかわいいね!】
「あのフェリーン雪祭司は先祖たちの提案を何度も断ったそうですが、皆がどうしてもと譲らなかったため、最後には彼女も同意するしかなかったそうです。」
シャーマンの老人は笑いながら話してくれた。あなたたちは件のフェリーン雪祭司が少し困ったような表情を浮かべる様を頭に思い描き、老人と同じく笑った。
別れ際、老人から贈り物として小さなゴーレムの彫像を渡され、あなたたちは改めて彼に感謝を伝えた。
アーミヤ
『ドクター、この彫像、本当にかわいいですね!』
ティフォン
ティフォン
『この足跡の方向……彼女はこっちに行ったみたいだな。この音、誰か来たのか?』
ドクター
『ティフォン?』
ティフォン
『ドクターか。まさかここで会うとはな。』
『ここへ来る途中、おまぬけ鳥のマゼランを見かけなかったか?』
ドクター
『見ていない。もしかしてはぐれたのか?』
ティフォン
『さっき通りがかった部族の集落の人が言うには、おまぬけ鳥は一人であっちの廃棄された観測所に行ったらしい。』
『あの辺りは最近少し物騒だからな。万が一、あいつが何かトラブルを起こしたりしたら……』
アーミヤ
『ティフォンさん、手伝いましょうか?』
ティフォン
『あいつの足跡はあったから、ここからそう遠くないところにいるはずだ。もしお前たちに他の用事があるなら、わたし一人で行ってもいい。』
『そうだ。あの廃棄された観測所は、結構長く使われていたんだ。ドクター、もし興味があるなら一緒に見に行かないか。』
観測所
ティフォンの案内で、あなたたちは古びた観測所にやってきた。ここにかつて駐在していた観測隊はとうに去っており、部屋にはカピの匂いが漂っていた。空っぽの観測所内に、メロディを口ずさむ軽快な声が響き渡っている。声のする方へ行ってみると、観測所の一室には歌いながら床に散らばった資料を整理しているマゼランがいた。
「あ、タイフーンちゃん、ドクタ一、どうしてここに!」マゼランはあなたたちの到着に酷く驚いたが、すぐに嬉しそうに今回の発見について語り始めた。
この観測所はインフィ氷原の深部から初めて生還した探検家デジニョフが残したものであり、サーミの歴史に関する資料が数多く保存されている。マゼランが興奮気味にこれらの遺された記録を紹介してくれている中、とある岩壁の壁画の拓本があなたの目を引いた。
【壁画に描かれた角獣は?】
「サーミの伝説では、アンマーはよく大きな角獣の姿で現れるそうだ。この絵は恐らく、雪祭司がアンマーと対話してる光景だと思う。」ティフォンは注意深く資料を見ながら疑問に答えた。
「ドクター、わたしはこのおまぬけ鳥が入ってはならない場所に行かないように、しばらく付き添ってやらないといけないのだ」
ティフォンは興奮しながら資料を記録しているマゼランを少し呆れたように見た。彼女たちに別れを告げ、あなたたちは観測所を後にした。
マゼラン
『ドクター、この資料の整理が終わったら、後でそっちにも送るね!』
【壁画に描かれた人は?】
「サーミの伝説では、アンマーはよく大きな角獣の姿で現れるそうだ。この絵は恐らく、雪祭司がアンマーと対話してる光景だと思う。」ティフォンは注意深く資料を見ながら疑問に答えた。
「ドクター、わたしはこのおまぬけ鳥が入ってはならない場所に行かないように、しばらく付き添ってやらないといけないのだ」
ティフォンは興奮しながら資料を記録しているマゼランを少し呆れたように見た。彼女たちに別れを告げ、あなたたちは観測所を後にした。
マゼラン
『ドクター、この資料の整理が終わったら、後でそっちにも送るね!』
遭遇(左)
空はいつの間にか暗くなり、冷光を放つ氷原も夕闇に呑まれ始めた。不必要な危険を避けるため、あなたたちは近くの森で野営することにした。「申し訳ありません、見ず知らずの旅人が、あなた方の焚き火に当たっても気になさいませんでしょうか?」
聞き覚えのない声の方を見ると、サーミの伝統衣装を着たエラフィアの男性がいた。彼は誤解を恐れてか数メートル離れた場所で足を止め、許可を得るまでは一歩も進もうとしなかった。
【一緒に焚火にあたろう。】
「皆様のご厚意に感謝します。」
許可を得て座ったエラフィアの男性は、お礼にと獣皮の袋から採れたての木の実を分けてくれた。シャーマン見習いの彼は、師の教えで「サーミの意志」を感じ取っているそうだ。
しばらくして、彼は立ち上がって再び礼を言った。ここで夜を明かしてはという誘いを丁重に断ると、彼は深い森の中へと歩いていった。
アーミヤ
『ドクター、あの方は悪い人ではなさそうでしたね。でも、必要な警戒は怠らないようにしましょう。』
【すまない……】
「お気になさらず。サーミの夜に、見知らぬ者を自分の野営地へ招き入れるのは、確かにあまり賢明な選択ではありませんから。」
エラフィアの男性はあなたの判断に理解を示した。
あなたは謝罪の印にと、手持ちの食料と燃料の一部を彼に分けた。お礼を言うと、彼は深い森の中へと歩いていった。
アーミヤ
『ドクター、あの方は悪い人ではなさそうでしたね。でも、必要な警戒は怠らないようにしましょう。』
ウルサス
遭遇(左)
遠くから楽しげな笑い声が聞こえ、そちらを見ると屋根の上に数人のウルサス人がいて、一人の子どもが今にも飛び降りそうな動きをしていた。周りは彼を止めるどころか応援しているようだ。あなたたちはその光景に驚き、慌てて前に出て止めよようとした。
だがその前に、屋根の上の人物は深呼吸をし、思い切りよく屋根から飛び降りた――
バンッと音がし、地面に厚く積もった雪の山に大きい穴ができた。あなたたちが駆け寄ると、家の前には即席のクッションのような厚い雪の層がある。その子は頭だけを残し、半分ほど雪に埋もれている。
次の瞬間、雪の中から顔を出したその子は帽子についた雪を払うと興奮気味に叫び始めた。屋根の人たちも彼を大声で祝う。その後、彼らが次々と分厚い雪の中へ身を躍らせては立ち上がるのを、あなたたちは呆然と見つめた。
【なぜそんなことをするのかと尋ねる。】
「ただの遊びさ。」
目の前のウルサス人はとても楽しそうに答えたが、あなたたちの心配そうな表情を見てこう付け加えた。
「安心しろよ。この家の屋根はそんなに高くないし、雪も十分積もってる。前に九階から試したけど、あれこそスリル満点だったぜ!」
【自分もやりたい!】
無傷なウルサス人たちを見て、あなたも少し試してみたくなった。あなたがうずうずと飛び降りたそうにしている様子に気づいたアーミヤとサベージは、慌ててあなたを引っ張り、その場から離れた。
集会
どうやら奇妙な集まりに迷い込んでしまったようだ。部屋にいる者は皆、古風な服装をしている――長いマント、古い革鎧、編み上げブーツ。腰に短剣を提げる者や、大げさな長弓や旧式の曲刀を背負う者もいる。
机のそばや部屋の隅にも様々な武器が置かれているが、精巧に作られているものの、実戦で使われるような凄みはなく、まるで丁寧に再現されたコレクションのようだ。
立ち止まったあなたたちを見ると、一人の若者がこちらへ親しげに歩み寄ってきた。
「緊張しないで、ただの交流会さ。」彼は笑って説明する。「ウルサス傭兵小説の愛好家の集まりでね。僕らは初期の設定の方が好みなんだけど。」
「近代の書き方はどうも退屈でね。みんな古典的な、一本筋が通ってる流れの傭兵の方が好きなんだ。」
彼は机から小さな冊子を取って渡してくれた。そこには、あるフェリーンの傭兵の物語が記されていた。
【そのフェリーンの傭兵の物語について尋ねる。】
ついにその質問が来たとばかりに、若者は目を輝かせた。
「いい質問だ。」彼は声をひそめたが、興奮を隠しきれない。「そのフェリーンの傭兵は、ヒッポグリフ時代の最も偉大な遊侠の一人なんだ!」
彼はとうとうと語り始めた。雪原での潜行から、単独でしんがりを務めた話まで、身振り手振りを交え詳細に語る。周囲の数人もいつの間にか集まり、頷きながら付け足していく。
サベージ
『こういう物語って、誇張されすぎじゃないかな。』
【冊子をめくる。】
手元の冊子を見ると、表紙には剣を持つ白髪のフェリーンが描かれていた。エピソードは目を見張るようなものばかりで、傭兵は――単身で雪原を抜け、多勢を相手にし、吹雪の中で暗殺を果たして生還し……
最後のページまでたどり着くと、 隅の方に小さな文字でこう書かれていた。
「以上は愛好家が整理した内容で、事実と異なる可能性があります。同好の士間での参考にのみご利用ください。」
アーミヤ
『ドクター、この表紙のフェリーン、ケルシー先生にちょっと似ていませんか?』
ウクシク
ウクシク
『へへっ、これで浮いたお金はあたしのもんだね。』
サベージ
『あれ、ウクシクちゃん、ここで何してるの? そんなにたくさんの本を抱えて。』
ウクシク
『本屋に行くところだったの。アンナから、字を教えるために本を買ってきてって言われてね。』
『そうしたら、途中で変な格好の人たちがお話しをしてるのを見かけたから、気になって少し聞いてみたら、この本を全部くれたってわけ。』
『タイトルは読めないけど、まあ、本は本だし。これがあれば、本を買うためのお金で、おやつが買えるでしょ。』
ドクター
『どれどれ、「傭兵団の系譜と契約制度に関する考察」、『近代傭兵制度と戦場経済の分析」、「傭兵団の標識に関する記号学研究」……』
『ウクシク、悪いことは言わないから本屋でもう何冊か買ったほうがいい。イースチナの目は誤魔化せないだろうから……』
ウクシク
『えっ、なにそれ。じゃああたしが今まで聞いてた時間は無駄だったってこと?』
遭遇(右)
ウルサスの辺境の村に着いた。湿った薪が燃える臭いがした。数人の住民が新しく割られた薪を囲み、口々に何かを話し合っていた。「源石暖房のパイプが止まって何日か経った。この薪がなけりゃ、ここ何日かどう乗り切ったらいいかわからなかったな。」
「ああ、どんどん寒くなってるし、パイプがいつ直るかもわからんし。はぁ……」
「ふん。」
鼻を鳴らす声に会話が遮られた。冷たい風で顔を赤くした老人が脇に立ち、斧を握りしめ、鋭い視線を向けている。
「近頃の若者は。」彼は皆をひと睨みした。「昔、俺がウルサス軍で雪原を渡ってた時は、これより十倍は寒かったぞ。それでもピンピンしてたんだ。」
「真のウルサス人は、そんなものには頼らん。」そう言ってコートのボタンを外すと、冷気が一気に襟元から入り込んだ。「強い意志こそが、寒さに耐える秘訣だ。」
【確かに意志があれば寒さに耐えられる。】
あなたは頷き、老人の言葉に同意した。彼はまるで認められたかのように、背筋を伸ばして風の吹き込む中央に立ち、冷たい空気を深く吸い込んだ。
「ハ――ックション!」
周囲の者は一瞬沈黙したが、すぐに老人を取り囲み、彼をそのプライドごと分厚い毛布で包み込み、ついでに熱々の湯たんぽを懐に突っ込んだ。
【意志だけではどうにもならない。】
あなたは首を振った。この極寒の天気では、意志が火の代わりを務められるはずもなく、強がっても体を壊すだけだと伝える。老人は言い返そうとしたが、すぐに近くの若者の言葉に言い負かされ黙り込んだ。
「この前もそう言って、それを証明するために凍ったばかりの湖に飛び込んで泳いだじゃないですか――その結果、次の日にはストーブより熱くなるくらいの熱を出して何日も寝込んだくせに。」
ロサ
ドクター
『おかしいな。住所はここなのに、どうして人がいないんだ?』
ロサ
『ドクター、どうしてここにいるの? 何かあったのかしら?』
ドクター
『ロサじゃないか、ある学者を訪ねようとしていたんだが、留守のようでね。』
『それに、先ほどご近所の方に聞いたのですが、この家の方は数日前に慌てて出かけたきりで、ずっと戻ってきていないみたいなんです。』
ロサ
『ドクター、その学者の住所を拝見しても?』
ドクター
『もちろん。』
ロサ
『……』
『ドクター、その学者が今どこにいるのか、心当たりがあるわ。案内しましょうか?』
ドクター
『本当か? 是非お願いしたい。』
ロサ
『じゃあ、ついてきて。すぐ北よ。』
住宅地
ロサの案内で、あなたたちはとある静かな住宅にやってきた。室内は簡素な設えで、壁沿いの本棚には黄ばんだ書物や手書きのノートが積まれており、空気にはほんのり紙とインクの匂いが漂っていた。「大変失礼いたしました、ロドスの皆さん。」
ドアを開けたウルサス人の学者は申し訳なさそうな顔で言った。「先日、私の子供が事故に巻き込まれてしまいましてね。やむを得ず一時的な引越しという形で、子を連れて離れていたんです。」
あなたたちが用件を告げると、学者はしばらく考え込んだ後、本棚から分厚い手書きの年代記を取り出し、あるページを開いた。
「ウルサスの歴史に特別なヒッポグリフの貴族が一人存在しているのは事実です。」彼は眼鏡を押し上げ、考えを整理するように少し間を置いた。
「彼女はリーベリではなくフェリーンでした。反乱平定での功績を認められ特例で爵位を得たのです。多くの貴族とは違い、記録にある彼女の人となりは非常に自制的で、慈悲深かったとすら言えます。」
学者がページをめくり、指先で軽く文字を叩く。
「彼女の在任中、民の税を何度も減免し、一部の貴族による搾取も制限したとされています。そのため、民衆の間での人望はかなりのものでした。」
「しかしとある戦争の後、彼女の記録は途絶えます。」彼は顔を上げ、こちらを見た。「明確な戦死の記録もなければ、その後に関する資料も残っていません。」
【彼女が失踪した理由について尋ねる】
「文献には明確に記されていません。」学者は年代記を数ページ遡った。
「ですが……いくつかの記録では、当時の帝国の一部のやり方――特に平民や前線の軍の扱いに対して、彼女は否定的であったと書かれています。」
ロサ
『ドクター、どうして急にウルサスの歴史なんかに興味を持ったんですか?』
酒場
通りに沿って静かな路地に曲がると、暖かな明かりの灯る酒場に目を引かれた。扉を開けると、暖気とともに蜂蜜の甘い香りが飛んできた。「おお、そこの御三方、うち特製のミードはいかがかな!」
酒場の店主は大柄なウルサスの男性で、熱心に酒場のミードを勧めてくる。
「うちのミードは先祖代々伝わる秘伝のレシピを使ってるんだ。じいちゃんから聞いた話じゃ、昔ヒッポグリフの貴族様方が飲んでたもんらしい。他じゃ絶対飲めねぇぞ!」
【店主に秘伝のレシピの由来について尋ねる】
「本で読んだんだが、毎日ミードに浸るように暮らしてた酒好きの女貴族がいたらしい。その方が、もっと美味いモンを飲みたいってんで、下の者にレシピを改良させ続けんだ。」
酒場の店主は頭を掻き、こう付け加えた。
「でもじいちゃん曰く、当時はお貴族様への酒を運ぶ途中で数日置いただけでも酸っぱくなったから、配達や酒造りの奴らはしょっちゅう鞭打たれてたって話だ。」
「それで、とある心優しいお貴族様が、連中が罰せられるのを見かねて、レシピや工程を改良したんだ。おかげでこのミードは日持ちもするし、美味くなったんだとさ。」
ヴィクトリア
ブリギッド
ブリギッド
『よーし、これが最後の一通だね。やっと届け終わった!』
ドクター
『ブリギッド、仕事が終わったところかな?』
ブリギッド
『あっ、ドクター。どうしてここに!』
ドクター
『少し調べていることがあるんだ。君は白髪のフェリーンの物語や伝説について、何か聞いたことはないか?』
ブリギッド
『白髪のフェリーンの伝説? どこかで聞いたことがあるような……』
『思い出した。前にとある部族を通りかかった時、そこの長老が話してたよ!』
『うーん……でも具体的な内容は忘れちゃったな。どうしても知りたいなら、その部族の長老のところまで案内するよ。』
サベージ
『じゃあ案内をお願いできるかな。』
野営地
長い道のりを経て、あなたたちは夕暮れ時にブリギッドの後についてあるターラー人の野営地に到着した。ブリギッドを見るや、多くの子供たちが彼女を囲み「お姉ちゃん」と呼んだ。彼女は嬉しそうに子どもたちの頭を撫でて用意した飴を配る。それから彼らが興味津々で見つめる中、あなたたちをテントへ案内した。
「この人が部族の族長、チャールお爺さんだよ。若い頃は部族で一番優秀な天災トランスポーターだったんだ!」
ブリギッドがテントにいる老人を紹介した。あなたたちの訪問理由を知った後、老人は部族の歴史について語り始めた。
はるか昔、部族が移動中に、形成されつつある天災に遭遇した際、一人のフェリーンの旅人の導きのおかげで、部族の人々は源石嵐の強風域から逃れることができた。
その後、フェリーンの旅人から天災の予兆に関する知識を教えてもらったおかげで、部族は天災の被害をほとんど受けなくなった。部族を救ってくれた彼女を記念して、人々は自発的に他の部族へ天災を警告する役割を担うようになった。
【このフェリーンの旅人の行方を尋ねる】
「彼女は事が終わった後に一人で去っていったが、その後もきっとより多くの助けを必要とする人々を助け続けたのだと思う。」
一連の話を聞いて、立ち上がり礼を言って離れようとした。しかし老人はもう日も暮れたのだからと言って、あなたたちはここで一晩休むべきだと譲らなかった。翌日、あなたたちは彼とブリギッドに別れを告げ、旅を再開した。
ブリギッド
『そのフェリーンの旅人は、きっとすごく優しい人だったんだろうね。』
【この老人と部族に敬意を表する】
「我々もかつて助けを得たのだから、人が助けを必要としている時は、そのために力を尽くすべきなのだ。」
一連の話を聞いて、立ち上がり礼を言って離れようとした。しかし老人はもう日も暮れたのだからと言って、あなたたちはここで一晩休むべきだと譲らなかった。翌日、あなたたちは彼とブリギッドに別れを告げ、旅を再開した。
ブリギッド
『そのフェリーンの旅人は、きっとすごく優しい人だったんだろうね。』
遭遇(右)
「ドクター、アーミヤちゃん、何か匂わない?」サベージはくんくんと匂いを確かめると、目を輝かせた。あなたとアーミヤが注意深く嗅ぐと、確かに街角からかすかな香りが漂ってきていた――バターと小麦粉を焼いた匂いだ。
「焼きたてのクリームケーキの匂いだよ。一緒に食べに行こう?」サベージの提案にあなたもアーミヤも賛成し、「ヴァレリー」というケーキ屋に入った。
まだ早い時間だからか店内に客は少なく、店主は熱心におすすめの看板メニューを紹介してきた。
「最近人手不足で厨房が回らないんですよ。新しく入った従業員も遅刻ばかりで! ああ、彼らがムースちゃんのように手のかからない子ならよかったのに!」
ムースちゃん?
「いい子だったんですよ。賢くて有能で、来てすぐに私の技を全部習得したんですから! だけど残念なことに、理由も教えてくれないまま家族が連れて行ってしまいましてね。はぁ……」
店主はムースという名の見習いのことを手放しで褒めちぎった。あなたたちは互いに視線を交わし、その見習いの外見の特徴についていくつか質問をして、店主の言っているのが自分たちの知る人物で間違いないという確信を得た。そして、そのムースという名のフェリーンの少女を知っていると彼に伝えた。それを聞いた店主は、身を乗り出すようにして近況を尋ねてきたが、元気にしていると知ると、嬉しそうに笑い声を上げた。
あなたたちがケーキ屋を出る頃には、日持ちするスイーツで手がいっぱいになっていた――どれも店主から頼まれたムースへの手土産だ。
サベージ
『ドクター。これ、一度本艦に持ち帰ったほうがいいかもね。スイーツは時間が経つと味が落ちちゃうから。』
遭遇(中)
遠くで、子どもたちが集まって何やら騒がしく言い争っている。「わたしがヴィーナをやる! わたしがヴィーナ!」茶髪の少女が手を高く挙げ、ぴょんぴょん跳ねている。
「なんで毎回お前なんだよ!」もう一人の少年が不服そうに腰に手を当てた。「今回は俺の番だろ!」
「だって武器を持ってないじゃない!」少女は胸を張って背後から木の枝を取り出した――路地で拾った自分の腕より長い枝を、まるで戦槌のように肩に担いだ。「見て、わたしのはこれ!」
少年は口を尖らせ、ぶつぶつとつぶやいた。「そんなの全然すごくない、ただの武器だろ。次は大槌だけじゃなくて、剣も一本持ってくるからな!」
「じゃあわたしは? わたしは何をやればいいの?」もう一人の眼鏡をかけた少女がおずおずと手を挙げた。
「お前は俺たちの中で一番頭がいいから、モーガンをやれよ!」
その後、子供たちは各々が演じる役割を次々と決めていき、この小さな通りで、あなたたちは「グラスゴー」の結成をその目で目撃した。
【この記念すべき瞬間を写真に収める】
「ドクター、一体何を?」アーミヤの怪訝そうな視線の中、あなたはバックパックからカメラを取り出した。
「記念に残しておいて、今度ヴィーナがロドスに戻ってきた時に渡してあげようと思ってね。」
アーミヤ
『ドクター……意地悪なところがありますよね。』
【自分もグラスゴーに入りたい!】
「もうドクターったら。私たちにはもっとやるべきことがあるんだからね。」サベージはあなたの頼みを無視し、笑いながらあなたを引っ張ってそこを離れた。
サベージ
『ドクターにこんなに悪戯っぽさがあるなんて、思わなかったよ』
工場
「生徒の皆さん、目の前にあるこの工場こそ、かつてヴィクトリア初の移動都市の部品を生産していた場所です。」工場の入り口の前で、一人の教師が生徒たちにヴィクトリアの移動都市の歴史を語っており、これらの便利な移動都市のおかげで、かつてのヴィクトリアはかくも広大な領土を拡張できたのだと話していた。
しかし移動都市の首席設計士だったケルシーがあなたに語ったことがある。移動都市という概念はもともと、諸国に併合されることを拒んだ独立居住地の人々によって提唱されたものであり、この概念を提唱した学者たちは、移動都市がテラの人々を地域の制限から解放して、彼らがこの広大な大地で自由に生きるための助けとなることを望んでいたのだと。
そこで彼らは「七都連邦」と呼ばれる同盟を結成した。テラ各地の独立居住地から集まった研究者たちがこのために団結し、七都連邦の盟友たちは互いに支援し合い、大国の侵攻をなんとか遅らせながら、素晴らしい未来を勝ち取るために戦った。
だが、彼らの願いが叶うことはなかった。数十年にわたり多方面で苦戦を強いられた七都連邦には、もはや移動都市をテラの大地で航行させるだけの資源は残されていなかった。建設に携わった建造者たちや都市そのものは各大国によって山分けされ、しばらくすると、各国も七都連邦の研究を利用して次々と独自の移動都市を建造していった。そして、移動都市の利便性を武器に、可能な限り多くの領土を自国のために奪い取っていったのである。
アーミヤ
『ドクター、彼らの意志と夢は消え去ることはなく、きっと受け継がれていくはずですよ。』
ハイディ
アーミヤ
『ハイディさん。来てくれたんですね。』
ドクター
『どうしてハイディがここに? アーミヤが呼んだのか?』
ハイディ
『皆様がケルシーの過去を調べていると、アーミヤから聞きました。』
『私は以前からケルシーの専属トランスポーターを務めておりますから、私たちが経験してきたことは皆様もとっても興味深いものだと思います。』
『タイミングのいいことに、今晩とあるパーティーの招待を受けております。主催者の方もケルシーとそれなりに関わりがあった方です。』
『よろしければ皆様も参加されませんか? お探しの手がかりが見つかるかもしれません。』
宴会場
「おお、ハイディ、前にもまして美しくなったね。」宴会場で、身なりの整ったとあるヴィクトリアの貴族がハイディを見て熱烈に出迎えた。
「ヴィンセントおじ様、お久しぶりです。」
ハイディは彼に笑顔で挨拶し、ヴィンセントというその貴族にあなたたちを紹介した。
「あなたがかのロドスのドクターでしたか。お噂はかねがね伺っております。」ヴィンセントは情熱的にあなたの手を握り、親しげに挨拶を交わしてきた。相手のあまりにも友好的な態度にあなたがひどく驚き、戸惑っていると、ハイディがその理由を説明してくれた。このヴィンセント伯爵の夫人はかつて奇病を患ったことがあったが、ケルシーの治療のおかげで完治できたのだという。それ以来、伯爵はケルシーと親交を結び、度々彼女に援助を提供してきた。そして、ハイディ自身のケルシーとの初めての出会いも、他ならぬこの伯爵の主催するパーティーでのことだったそうだ。
【援助を提供?】
「ええ、ヴィンセント伯爵は当時ケルシーのヴィクトリアでの活動を各方面から支援し、私たちの組織もしばしば彼を頼って情報を伝達していました。」ハイディが小声で言った。
「ドクターもご存知の通り、こうした支援は非常に危険で、一歩間違えば身の破滅を招きます。それでも伯爵はケルシーを助けることを選び、私たちの側に立ちました。」
忙しなく客をもてなしているフェリーンの貴族を見たあなたの心には、敬意が湧き上がった。
ハイディ
『ドクター、もし機会があれば、ケルシーにもう少しいろんな服装を着てみるように、勧めてみてくださいね。』
【ケルシーと初めて会った時はどうだったんだ?】
「当時私は父の依頼を受け、ケルシーにある情報を伝えるためにここに来ていたんです。」
「ドクター、ケルシーがドレスを着た姿を見たことはありますか?」ハイディの突然の問いに、あなたは首を横に振った。
「すごくかっこよかったのです。それにケルシーは博識で、その場にいた誰もが彼女と話したがっておりましたので、私は彼女と二人きりになる機会を作るのに随分と苦労しました。」
ハイディの口元には微笑みが浮かび、ケルシーと初めて会ったあの夜を思い出しているようだった。それから、彼女はあなたたちにその後の出来事について語り始めた。
ハイディ
『ドクター、もし機会があれば、ケルシーにもう少しいろんな服装を着てみるように、勧めてみてくださいね。』
リターニア
音楽ホール
あなたたちは豪華な装飾が施された音楽ホールに足を踏み入れた。高いドーム型の天井と重なり合うボックス席が、音そのものを幾分か増幅させているかのようだった。壁には歴代の公演目録が掲げられており、照明の下で微かに煌めく金色の文字が、数百年にわたりこの舞台に立った音楽家たちの名前とその生涯を刻んでいた。眼下の人々は、リターニアでは誰もが知る音楽の巨匠たちについて小声で語り合っていた。しかし、あなたたちの視線は、決して目立つとは言えない名前に留まっていた。周囲の華々しい名門の家名や貴族の称号と比べると少し場違いにも見えたが、あなたたちにとって、その名前はこれ以上ないほど馴染み深いものだった。
人々の中に、そのフェリーンの女性の逸話を口にする者がいた。伝えられるところによれば、彼女が初めて舞台に立った時、周囲からは全く期待されておらず、彼女の演奏を「取るに足らない箸休め」と見なす者すらいたという。しかし旋律が響き渡るやいなや、彼女は完璧に近い技巧と溢れる感情で、音楽ホール全体を掌握してしまった。耳の肥えた気難しい貴族たちは最初は冷ややかに傍観していたものの、その彼らでさえ最後には立ち上がって拍手喝采を送り、彼女の才能を認めざるを得なかったのだ。
「ドクター、アーミヤちゃん、ケルシーがピアノを弾けるって知ってた?」サベージの問いに、あなたとアーミヤは首を振って知らないと答えた。」
「ケルシー先生の知られざる一面をまた一つ見つけましたね。」アーミヤが小声で言った。「いつか機会があれば、ぜひ先生と一曲合奏してみたいです……」
アーミヤ
『ケルシー先生は音楽方面にもこれほど深い造詣を持っていらっしゃったんですね。』
エーベンホルツ
エーベンホルツ
『澄み渡る空は青を湛え、そよ風はたおやかに歌う……』
『こっそりと隠れて盗み聞きするより、観客には堂々と私の前に立っていてほしいものだ、ドクター。』
ドクター
『ああ、気づかれていたか。君がここで演奏しているのをたまたま見かけて、思わず聞き入ってしまったんだ。』
エーベンホルツ
『……』
アーミヤ
『エーベンホルツさん、チェロの演奏がまた一段と素敵になりましたね!』
エーベンホルツ
『お褒めに与り感謝する。ところで、貴殿らはここで何をしているんだ?』
ドクター
『私たちは、ケルシーの過去に関する手がかりを探しに来たんだ。エーベンホルツ、何か知っていることはないか?』
エーベンホルツ
『何も。ただ前にレッシングが、ルートヴィヒ大学の老いぼれは彼女と親しいと言っていた。直接そこへ手がかりを探しに行くのがいいかもしれないな。』
『巡り合わせの良いことに、レッシングがちょうど老いぼれの依頼で大学へ忘れ物を取りに行っている。彼に案内を任せるといい。』
『ただ、貴殿らが来た方角からすると、彼と入れ違ったはずだ。あちらに行きたいなら急いだ方がいい。』
遭遇(上)
音楽を愛するリターニアでは、いつも街のどこかから美しい旋律が聞こえる。広場の一角で奏でられるギターとトランペット、タンバリン、それぞれが交じり合って生み出す軽快な旋律が、あなたたちの足を引き留めた。こちらの視線に気づいたギター奏者が微笑むと、旋律はさらに軽やかになった。奏者があなたに近づくよう顎で合図し、タンバリンのリズムが新参者のために一拍空けられた。
「少しやってみるかい?」トランペット奏者は楽器を下ろし、笑みを浮かべてあなたを誘う。
【やってみる!】
トランペット奏者の指導のもと、あなたは不器用ながらもいくつか音を出し、他の楽手たちの協力を得て即興演奏を行った。演奏が終わると、皆から熱烈な拍手が送られた。
アーミヤ
『ドクター、こんなに音楽の才能がおありだったんですね。機会があったら是非合奏をしましょう!』
【丁重に断る】
トランペット奏者は肩をすくめ、あなたの拒絶を残念がったが、その後彼らは再び演奏を続けた。
サベージ
『あーあ、ちょっと残念だなぁ。ドクターが楽器を演奏する姿を見たかったのに。』
レッシング
レッシング
『ドクター。』
ドクター
『レッシング、どこかに向かうところか?』
レッシング
『ゲルハルト先生から連絡があって、実験に使った書籍や材料を兄弟子たちが学校に置いてきたから、代わりに取ってきてほしいと頼まれたんだ。』
ドクター
『学校というとルートヴィヒ大学か?』
レッシング
『ああ。ゲルハルト先生は以前、そこで長く教師をしていた。兄弟子たちの話では、巫王が在位していた頃には、すでに教職に就いていたらしい。』
サベージ
『ドクター、大学にはたいていたくさんの蔵書があるよ。そこでケルシー先生に関する手がかりが見つかるかもしれない。』
ドクター
『確かに。』
サベージ
『わたしたちは今、一緒にケルシーの過去に関する手がかりを探しているんだ。』
ドクター
『レッシング、手がかりを探すために、一緒に連れて行ってくれないか?』
レッシング
『わかった、ついてきて。』
ルートヴィヒ大学
ルートヴィヒ大学の門をくぐった時、あなたたちはつい歩みを緩めた。頭上では高くそびえ立つアーチが交わり、白黒が交差した石材が前方に伸びて、まるで地面までもが緻密な楽理の構造に則っているかのようだった。「文献によると、この大学の前身は選帝侯であるルートヴィヒの高塔だそうだ。」レッシングはあなたたちを図書館へと案内し、ルートヴィヒ大学の歴史について説明してくれた。当時、リターニアの九大選帝侯領の一つであるアインヴァルト管区には、ルートヴィヒという名の統治者がいた。「学士」の異名を持つこの選帝侯の、知識と芸術に対する情熱はかつてない高みに達しており、教えを説き知識を授けることに対して常人離れした使命感を抱いていた。彼は自身の高塔を開放し、身分の貴賤を問わず、知識を学びたいと願うすべてのリターニア人に門戸を開いた。多くの学者たちが彼の行動に感銘を受け、次々と高塔に集まり、共に知識を授ける側へと加わっていった。
図書館で大学の歴史に関する書籍に目を通していると、ある学生が書き残した日記があなたたちの注意を引いた。日記には、当時の高塔で最も人気のあった学者たちや、学生たちの間で起きた面白い出来事が記録されていた。
【まずは学者たちの部分から読む】
日記によると、学生たちは高塔で最も人気のある教師を決めるための投票を行ったことがあり、あるフェリーンの女性が圧倒的な票数で一位に輝いたという。いつも無愛想だったが、博識で、講義も筋道が通っていてわかりやすく、さらに美しい容姿に恵まれていたため、学生たちから非常に慕われていた。
レッシング
『ドクター、求めている手がかりは見つかったか?』
【まずは学生たちの面白い話から読む】
日記によると、とある大胆な学生が、高塔で学生たちから絶大な人気を集めていたフェリーンの女性教師に愛を告白したことがあったという。放課後の廊下で、この学生はあらかじめ用意していた花束を取り出し、周囲が驚きの目で見守る中、興奮した様子で教師に自身の想いを打ち明けた。しかし、相手に丁重に断られたそうだ。
レッシング
『 ドクター、求めている手がかりは見つかったか?』
遭遇(中)
ルートヴィヒ大学の入り口前の路地で、あなたたちは「対位法は厳格に古典的構造に従うべきか」という問題について激しく議論している二人の学者を見つけた。「対位法の要は秩序にある。」一人は冷静だが断固たる口調で言った。「各声部は構造に従わねばならない、さもなくばただの騒音の山だ。」
「だが音楽がただ規則に従うなら、機械と何が違う? 真の表現は、それこそ逸脱の中から生まれるものだ。」もう一人は軽く笑い、指先で空中に音符の軌跡を描いた。
テンポはみるみる速くなり、口調も鋭さを増し、息遣いすら競い合うようなものに変わる。空気も議論と共に張り詰め、あなたは二人の手が杖の上部にあるアーツユニットに伸びているのに気づく。
【進み出て二人の争いを止める】
二人の間の険悪な空気は悪化するばかりで、今にもつかみかかりそうな気配すら漂ってきたため、慌てて間に割って入った。あなたたちの説得により場は和み、眼鏡をかけている方の学者が笑いながら心配は無用だと言った。二人は幼馴染で親しい間柄であり、単に時折意見が衝突するということらしい。
【速やかにここから離れる】
あなたたちは急いでその場を離れ、近くの憲兵に事の顛末を伝えた。しかし憲兵は意に介さず、今月だけで十回以上この二人に関する通報を受けたが、毎回駆け付けたころには何事もなく無駄足に終わったと主張した。
「どうせあいつら本気の殴り合いにはならないんだから、放っておけばいいだろう?」
高塔
あなたたちはとある高塔の前にやって来た。リターニアでよく見る、華やかで左右対称に作られた貴族の塔とは異なり、ひどく古びたものだった――外壁の装飾は剥がれ、風雨に晒されたせいで本来は塔を美しく彩っていた模様も判別できなくなり、高い場所にある無造作に開かれた窓は、まるで光を失った目のようだ。近隣の住民はこの場所について語る時、いつも無意識のうちに声を潜める。
「ずいぶん昔のことだ。」一人の老人がゆっくりと語った。
「この塔の主はフェリーンの貴族だったが、他の貴族みたいに偉ぶることはなかった……当時、巫王の密偵がそこら中で反逆者を捜していたが、彼女は多くの無実の人々を塔に匿った。」
「だが、そんなことは結局隠し通せやしない。」老人はため息をついた。「ある日、密偵が嗅ぎつけてここにやって来た。」
【その後、何が起きた?】
あの日、塔は一晩中明かりが点き、中で何が起きたか知る者はいなかった。しかし、最後には塔の扉が開き、そのフェリーンの貴族が人々を連れて足早に去った。彼女が疲労困憊していたように見えたと言う者も、かなり落ち着いた様子だったと言う者もいたが、その場面を目撃した全員が共通して覚えているのは、彼女が一度も振り返らなかったということだった。
それ以来、この塔が新たな主を迎えることはなかった。
風が塔を吹き抜け、低い反響音を立てる。あなたたちはその場に立ち、まるで未だ消えない残響を感じ取っているかのようだった――それは無理やり中断されながらも、空気中を彷徨う旋律のようだ。
サベージ
『その心優しい貴族が無事だといいんだけど……』
カズデル
給水設備
カズデルの通りを歩いていると、突如として前方から金属を叩く音が聞こえてきた。音の先には、古い給水設備を修繕するサルカズたちがいた。パイプはまだらに錆びており、全体に異なる時期の補修跡が残されている――鉄板が溶接されている箇所もあれば、木の楔とロープで固定されている箇所もあり、明らかに幾度となく応急処置が繰り返されたことが窺える。しゃがみ込んで詰まった泥を取り除く者がいれば、腰を屈めて変形したバルブを叩いている者や、緩んだ配管部品を一つひとつ締め直す者もいた。
「くそっ、奴らは一体ここからどれだけ部品を引っこ抜いたんだ!」
あるサルカズがレンチで地面を強く叩き、苛立ちを露わにして叫んだ。「今日中に直さねぇとダメなんだ! 戻ってウィシャデルにボロクソ言われるの真っ平ご免だぜ!」
「あいつ、明日の朝までにここの連中が綺麗な水を飲めるようにならなきゃ、俺たちを直接パイプに突っ込んで栓にするって言ってたんだぞ!」
【彼らの修理を手伝う】
一苦労した末、給水設備はどうにか稼働し始めた。レンチを持ったサルカズは感謝を述べるとともに、この給水設備の由来について語ってくれた。
この給水設備はかつてバベルのオペレーターたちがカズデルに建設した初期インフラの一つだ。水不足の緩和に大いに役立ったが、長らく適切なメンテナンスがされず、ずっと使用できない状態だったのだという。
アーミヤ
『ドクター、ウィシャデルさんは本当はとても頼もしい方なんですよね。』
家屋
「ここだ。」あなたたちを案内してくれたサルカズがそう言った。あなたたちは顔を上げ、目の前のやや地味な家を見る。壁は塗装が剥がれ、窓は簡単に補強されているだけで、周囲の建物と大差なく、むしろ古びて見えた。
サルカズは暫く沈黙してから口を開いた。「当時、彼女は二人の殿下と協定を結び、ここに身を置くことになった。」
彼はその名前を口にしなかったが、誰もが分かっていた――ケルシーのことだ。
「当時は、状況があまり良くなかった。」彼は淡々と言う。「外の連中のほとんどは、彼女を歓迎していなかったから。」
ここで彼は話を止め、何かを思い出すかのように少し間を置いた。
「だが、全員がそうだったわけじゃない。」
彼は固く閉ざされた扉を見て、声を潜めるように言った。「殿下は何度もいらっしゃった。」
あなたは、アーミヤが少し顔を上げ、何か言いたげにするも口を開かなかったのに気付いた。
【テレジアはここに何をしに来たんだ?】
「『見張り』に来たわけじゃない。もっと……何かを話し合いに来た感じだった。」彼は首を横に振った。「だが具体的に何を話したかまでは、俺たちにも分からない。」
彼はそれ以上語ることはなく、ただそこに立ち、この寂れた家を見つめていた。
【その時のケルシーは大丈夫だったのか?】
「良いとは言えないが、最悪でもない。」彼は間を置いて続ける。「制限はあったが、殿下のおかげで誰も手を出せなかった。大半の者は態度が悪くても、距離を置くだけだったさ。」
オッダ
ドクター
『オッダ、どこへ行くんだ?』
オッダ
『あ、ドクター。ちょうどリアン先生のところへ手伝いに行こうと思ってたところだ。』
ドクター
『リアン先生?』
オッダ
『リアン先生はプロの医者じゃないけど、昔バベルのオペレーターたちから簡単な医療知識を教わったんだ。』
『先生のところは、ここカズデルでは数少ない病気を診てもらえる場所だ。』
ドクター
『とすると、その医者はケルシーについて何か知っているかもしれないな。』
サベージ
『オッダ、そのお医者さんのところへ案内してもらえないかな?』
オッダ
『いいよ、ついてきて。』
診療所
「リアン先生、いらっしゃいますか?」オッダに案内され、あなたたちはある建物の入り口にやって来た。建物の壁は古びていたが、中はとても清潔で綺麗に整頓されていた。一人のサルカズの女性が、負傷した傭兵の傷口をちょうど縫合し終えたところだった。見知らぬ人々の訪問に彼女は一瞬驚いたようだったが、あなたたちの身につけているロドスのマークに気がつくと、たちまち笑顔を浮かべ、快く部屋の中へと招き入れてくれた。
訪問の目的を告げると、彼女は過去に経験した出来事を語ってくれた。幼い頃、荒野へゴミ拾いに出かけた際、牙獣に噛まれて重傷を負ったが、数名のバベルの医療オペレーターが間一髪で駆けつけてくれたおかげで一命を取り留めた。
それ以来、彼女はバベルのオペレーターたちに付き添い、カズデルで無料診療を行う彼らを手伝うようになった。そうして長くそばで見聞きするうちに、見よう見まねで簡単な医療知識も身につけた。バベルがカズデルを去った後は、その知識のおかげで自分と家族の暮らしを支えることができた。
【ケルシーを知っているか尋ねる】
「白髪のフェリーンの先生ですか? ええ、もちろん知ってますよ。」ケルシーの話題になり、リアン先生は少し懐かしそうな顔をした。
「病室で忙しそうにしているところをよく見かけましたね。皆、手に負えない状況になると、ケルシー先生に助けを求めていたんです。」
サベージ
『ケルシー……』
【なぜバベルについて行かなかったのかと尋ねる】
「ここの人々にはまだ助けが必要だからです。」リアン先生は軽くため息をつくと、淡々としつつもどこか確固たる語気で言った。
「私はあの方たちからは多くのことを学びました。彼らが去っても、誰かがここに残って患者たちを助け続ける必要があるんです。」
アーミヤ
『リアン先生は、本当に尊敬できる方ですね。』
遭遇(上)
あなたたちは道端で奇妙な屋台を見つけた。つなぎ合わせた木の板、ひっくり返した箱、何度も修理した痕跡のある小さなランプ。質素に見えるが、意外にも整頓されている。さらに奇妙なことに、ここは調理の際についたような油汚れや、部品の分解と組み立てによる細かい傷など様々な痕跡が残っている。隅には中途半端なところまで書かれた値札があるが、何度も書き直されているようで、元はなんと書いてあったのかもはや読み取れない。
一人のサルカズが台の奥に座っている。落ち着いた動きで、いくらか倦怠感を帯びた目をしている。ある者が壊れた装置を置くと、彼は一瞥して淡々と「直す。」と言った。
別の者が小銭を渡して食べ物はあるかと尋ねると、彼は鍋のスープを指さして「ある。」と答えた。
更には手紙を差し出して移動のついでに届けてくれと頼む者までいたが、彼は「金が入ったらやる。」と頷いた。
【この屋台は一体何屋なんだ?】
店主のサルカズは顔を上げあなたたちを見た。「何屋? 金さえあればなんだってやる。」そう言いながら、工具を整理し、鍋をかき混ぜた。「修理、配達、料理……稼げれば何でもいい。ああ、汚い仕事は受けないからな。」
「忙しいと思われるかもしれないが、血生臭い日々を送ってた頃よりよっぽどマシさ。」
アーミヤ
『今話してたことって、本当に同時にこなせるんでしょうか?』
ウィシャデル
ウィシャデル
『あら、ドクターじゃない。それに子ウサギにサベージも。どういう風の吹き回し?』
ドクター
『ケルシーの過去に関する手がかりを探しに来たんだ。』
ウィシャデル
『ケルシーの?』
アーミヤ
『ケルシー先生は、かつてテレジアさんと一緒に長い間カズデルにいたって言ってました。』
『なので、ここでならケルシー先生の過去について何か見つけられるんじゃないかと思って。』
ウィシャデル
『それならいいタイミングで来たわね。ちょうどこないだイネスたちが昔の情報をひと通り整理し終えたところよ。そっちの資料室に置いてあるわ。』
『あの中には絶対にババアが残したものがあるはずよ。』
遭遇(下)
道端のある家から、子供たちが本を読み上げる声が聞こえてきた。それはかつてのあなたの記憶にあるカズデルの雰囲気とはひどく不釣り合いに感じられ、あなたたちは窓辺に歩み寄り、好奇心から中の様子を覗き込んだ。眼鏡をかけたサルカズが黒板の前に立っていた。彼の身なりは決して気を使ったものではなく、上着の裾はすり切れ、袖口は何度もまくったり下ろしたりしたのか、うっすらと折り目が残っていた。彼は穏やかな表情で、声も大きくなく、子供たちがはっきりと聞き取れるように、あえてゆっくりと話しているようだった。
文字の授業が行われている最中だった。壁には古びた文字カードが数枚貼られており、端がめくれ上がって、長く使い込まれていたのは明らかだった。子供たちの座り方はきちんとしているとは言えなかった。指で机の上に文字をなぞる子もいれば、文字カードを見つめてぼんやりしている子、こっそり木の板に何かを書いたり描いたりしている子もいた。
教師と思しきサルカズはすぐに注意することなく、ただ文字カードを掲げ、小さな声で言った。「この文字、読んでごらん。」
いくつかの声が響き、はっきりと答える者もいれば、曖昧な者もいた。彼は頷くと、正誤を評価することなく、ただもう一度ゆっくりと読み上げ、彼らに後を続かせた。
彼は子供たちの間まで近付いてしゃがむと、一人のぐにゃぐにゃな字を見る。「あと少しだ、もう一回書いてみよう。」チョークを取り上げることはせず、画数の方向をそっと指で示した。
間違えて眉をひそめ書き直す子もいれば、文字が読めて得意げに隣の子へ教える子もいる。窓の近くに座っていた一人の子供が外にいるあなたたちに気付き、挨拶をするように手を振った。
【手を振り返す】
あなたたちも手を振り返した。それに気付いた彼は嬉しそうにより大きく手を振り、結果として授業中の先生の注意を惹いてしまった。
眼鏡のサルカズは子供の視線を追って窓の外を見やり、あなたたちの存在に気付いた。授業の邪魔をしないよう手で合図されたため、あなたたちは少し気まずそうにその場を離れるしかなかった。
サベージ
『ドクター、授業中は真面目に話を聞かなきゃだめだよ。』
【気付かないふりをする。】
あなたは授業の邪魔をしたくなくて、気付かないふりをした。その子は一瞬きょとんとした後、再び意識を授業に向け、小さな声で先生の後について文字を読み上げ始めた。
サベージ
『ドクター、授業中は真面目に話を聞かなきゃだめだよ。』
資料室
テレジアへ:私は数日前にレム・ビリトンへ到着し、例の艦船の所在を特定した。そしてすでに、レム・ビリトン国内の企業との協定も締結し終えている。
出発前にも君に告げた通り、「バベル」の存在は、再び調和し難い矛盾をカズデルへと突きつけることになるだろう。君の理想は決して間違っていない。だが、無数の憎悪と傷跡に幾重にも覆われたこの大地にそれを置けば、それは再び火を点けられる古い導火線となり得るのだ。
どうか、十分に警戒してほしい。サルカズの憎悪は数千年もの間続いてきた。一方で、バベルには異なる種族、異なる国家の同胞が数多く集っている。一部の勢力は、すでにバベルの存在に対して「関心」を示し始めている。我々は常にカズデルの情勢の推移を注視し、彼らの駒となることを避けねばならない。
私は発掘作業が順調に進むよう、万全を期すつもりだ。あの艦船には、この世界を根底から覆すほどの遺産が眠っている。それこそが、我々がこれらの問題を解決するための鍵となるだろう。今後も君には継続して艦船の発掘と修復状況の進捗を共有する。
【これは……】
あなたたちは資料室で、ケルシーがテレジアに宛てた手紙を見つけた。当時の彼女はカズデルを離れ、レム・ビリトンでロドスの発掘作業を指揮していたようだ。手紙からはカズデルの情勢を憂う心情が窺える。
ウィシャデル
『ふん、あのババア……』
ロドス・アイランド
Mon3tr
Mon3tr
『ドクター、戻ったか。』
『どうだ、今回の旅の収穫は?』
ドクター
『ああ、ケルシーの知られざる一面をいろいろと知ることができた。』
『サルゴン、サーミ、ウルサス、カズデル……この大地の至る所に彼女の足跡が残されているんだな。』
Mon3tr
『ロドスもその一つだ。ケルシーはここでも多くの経験をしてきた。』
『いつだって、ケルシーの中ではここは一番大切な場所に違いない。』
『さて、おしゃべりはこの辺にしておく。ドクターたちも長旅で疲れただろうし、たっぷり休養を取ろう!』
ドクター
『……』
アーミヤ
『どうしたんですか、ドクター?』
ドクター
『アーミヤ、サベージ、もう少し散歩に付き合ってくれないか?』
サベージ
『もちろんいいよ。』
遭遇(左)
ロドスの廊下は常に明るく清潔だ。照明の白い光が均等に降り注ぎ、床は鈍い光沢を放っている。行き交うオペレーターたちが時折こちらに会釈をして通り過ぎていく。すべてがいつもと変わらない光景だった。「おかしいな、なんだか誰かにずっと見られてるような気がする……」
サベージは眉をひそめ、怪訝そうに周囲を見回した。通り過ぎたオペレーターたちはすでに去り、廊下にいるのはあなたたち三人だけだ。あなたとアーミヤも辺りを見回してみたが、特におかしな点は見当たらなかった。
【ただの気のせいかもしれない。】
「うーん……そうかも、もう気配もなくなったし。」
サベージは少し間をおき、他に妥当な説明も思いつかないのか、最終的には頷いた。しかし皆が立ち去った直後、フードを被った赤い影が突如として廊下に現れた。
「ドクター、アーミヤ、安全。」
「レッド、みんなを守る。」
そして、影は再び廊下へと姿を消した。
【徹底的に調べる】
「ドクター。」
決断した直後、赤い影が突如として廊下に現れた。まるで最初からそこにいたかのように。
「レッド? さっき自分たちを見ていたのは君か?」
あなたたちの問いかけに対し、レッドは頷いた。
「レッド、パトロール中。」
「レッド、みんなを守る。」
食堂
ロドスの食堂に着くと、ちょうど昼食の時間になっていた。食堂は明るく柔らかな明かりに包まれ、温かい食事の匂いと食器が触れる音が混ざり合っている。任務について小声で話す者もいれば、すっかり寛いで食事に集中する者もいた。
ロドスにはエリアごとに様々な食堂がある。医療エリア付近のは薄味で栄養バランスを重視した食事を、訓練場付近のは高カロリーで手早くエネルギー補給できる食事を提供するなど、オペレーターの多様なニーズに応じている。
ただ、全ての食堂の入り口や壁の目立つ場所には、統一された標識が貼られている――「飲酒禁止」。
この規則はケルシーが自ら定めたものだ。患者やオペレーターの健康への配慮という面と、低年齢のオペレーターが若くしてアルコールに触れることを防ぐためである。
それでも、食事中に一杯飲みたい者はいる。彼らは食堂に人が少ない隙を狙い、見つからないように酒を隠し持ってくる。
アーミヤ
『以前、ブレイズさんとStormeyeさんがこっそりお酒を持ち込んで、ケルシー先生に見つかってしまって、長々とお説教されてましたよ。』
『ケルシー先生がこの規則を定めた時、AceさんとSharp さん、少し落ち込んでましたね。』
エンジニア部
エンジニア部が位置するエリアは、ロドスの他のエリアと比べ、高度に規格化された実験スペースといった趣が強い。廊下は一直線に伸びて明るく、壁面は淡い色の金属と複合材料を組み合わせて構成されている。埋め込み式の光源が均等に配置されており、影による明確な死角は存在しない。一部の観察窓越しには、内部の作業台に整然と並べられた計器やモジュール化された設備、そして様々な新型機器の調整に励むオペレーターたちの姿を見ることができる。ロドスがまだ修復段階にあった頃から、ケルシーは確信していた。この大地を航行する陸上艦は、感染者による衝突や武装勢力からの襲撃、あるいは各方面の勢力からの探りなど、将来必ずあらゆる不測の事態に遭遇することになるだろうと。
そのため、ケルシーはエンジニア部の設立を推し進めた。エンジニア部はロドスの日常的なメンテナンスと整備を担うだけでなく、重要な研究開発部門の一つとなり、オペレーターたちの要望に応じた個人装備の開発サービスも提供できるようになった。
現在、ロドスの内部にはすでに完全な技術および防御システムが構築されており、本体そのものが十分な対応能力を備えられるようになっている。そして、このシステムの構築は、エンジニア部に所属するオペレーター一人ひとりの貢献なくしては語れないのである。
アーミヤ
『ドクター、クロージャさんは時々お調子者に見えますが、ロドスに最初に乗艦した一人でもあるんですよ。』
『ドクター、クロージャさんは時々お調子者に見えますが、WhiteSmithさんたちも彼女のチーフエンジニアとしての実力を認めていたんですよ。』
クロージャ
クロージャ
『あれ、どうして動力層に来たの、ドクター?』
『見て、エンジニア部が源石ボイラーをアップグレードしたの。これでエネルギー消費が13%もダウンしたんだよ! どう、すごいでしょ!』
ドクター
『ここ最近は色々と苦労をかけたね、クロージヤ。』
クロージャ
『あたしは平気だけど、ドクターとアーミヤちゃんこそお疲れでしょ。ケルシーがいない分、やらなきゃならない仕事がいっぱい増えちゃってるし。』
『……』
『ドクター、あたしたち、絶対にケルシーを連れ戻せるよね。』
ドクター
『ああ、絶対に。』
遭遇(中)
「ふふん、今日のサンプルの質はなかなかだな。」医療部の入り口で、ファイルを抱えた人影が通り過ぎ、白衣の裾が微かに舞い上がった。ワルファリンは報告書に目を通しながら、満足げな笑みを浮かべていた。
だが、こちらに気づいた彼女の笑顔は、明らかに一瞬引きつった。
「……ドクター?」
次の瞬間、彼女は抱えていたファイルを慌てて背後に隠した。
「コホン、その――今日の健康診断の結果はすこぶるよかったということだ。」
彼女は咳払いをして、いつもの口調を取り戻したが、その目は明らかに泳いでいた。
【彼女の言葉を信じる】
「そうそう。ただの定期検診だ。」
ワルファリンはすぐさま頷き、見事な立ち直りの早さを見せた。
「ロドスの健康管理は常に厳しく行われておる。その点は安心しておけ。」
そう言うと彼女は少し間を置き、こう付け足した。
「もちろん、もっと踏み込んだ研究に『自発的』に参加する者がおれば、それもまた合理的な管理の範疇だがな。」
アーミヤ
『ワルファリン先生はたまに変な実験をしますけど、すごく頼りになる方ですよ。今までずっとそうでした。』
【彼女の持つファイルをチェックする】
あなたが手を差し出し、ファイルを渡すよう促すと、ワルファリンはあからさまに身を強張らせた。
「これは……ただの普通の実験記録だ。」
彼女はファイルをさらに後ろへ隠そうとしたが、もう手遅れだった。
一番上のページに「血液適合性及び限界耐久テスト【第七版】」と書かれているのがうっすらと見えた。
ワルファリンは軽く咳払いをした。
「ドクター、この実験は被験者にいかなる害も及ぼさぬ。医師としての妾の手腕を信じるのだ。」
アーミヤ
『ワルファリン先生はたまに変な実験をしますけど、すごく頼りになる方ですよ。今までずっとそうでした。』
医療部
間違いなく、医療部の執務室はケルシーがロドスで最も長く留まっていた場所だ。他のエリアと比べ、ここはひときわ静かだ。デスクやキャビネットは厳格なまでに整頓され、カルテや研究記録、契約書類などが分類されて並び、一切の乱れがない。
ここで、彼女は無数の業務を処理してきた――患者の病状評価と長期治療計画の策定から、新薬の開発進捗や臨床試験結果の分析、さらには他機関との協力協定やリスク審査に至るまで。重大な意思決定はどれもほぼ、彼女が最終的な判断を下す必要があり、往々にしてこうした仕事には明確な終わりが存在しない。
しかし、医療部の運営は決して自分一人の力に依存しているわけではないと、ケルシーは語ったことがある。
執務室では、医療部全体が彼女と同等の過酷なペースで稼働し続けている。オペレーターたちの健康診断データを整理する者もいれば、負傷者の記録を照合する者や、実験台の前で各種薬剤と生理的指標のデータを繰り返し比較する者もいる。時折、各エリア間で最新の診療結果や緊急報告を伝達するために、足早に行き交う人影も見かけることができる。
だからこそ、この執務室の明かりは深夜になっても灯り続けていることが多く、艦内で稼働を続けている数少ないエリアの一つとなっている。
だが、彼らが深夜まで忙しく立ち働いている時には決まって、誰かが湯気の立つ熱いコーヒーを淹れて運んできてくれるのだ――それは以前も、そして今も変わらない。
アーミヤ
『ケルシー先生のお仕事は本当に大変なので、私もできる範囲で色々と手伝いたいと考えています。』
『昔、医療部が残業していると、テレジアさんがよくケルシー先生たちにコーヒーとお菓子を差し入れていたそうですよ。』
休憩室
ケルシーの指示により、ロドスのエリートオペレーターたちの休憩室は、エンジニア部によって艦内で適用可能な最高水準で設計、建造された。空間構造から素材の選定に至るまで、可能な限り安定性のある最高水準の設備が採用されている。休憩室の内部は明確に区切られており、携帯武器や作戦デバイスの迅速な点検や整備が容易に行えるよう、独立した装備調整エリアが設けられている。同時に、基本的な医療検査機器や体力回復設備も完備されており、任務の合間のコンディション調整や応急処置に利用されている。その他、専用の交流、集会スペースも設けられている。
普段、ここは休息の場としてだけでなく、小規模な身内の集まりや節目ごとのささやかな祝賀会などにも利用されている。任務終了後の束の間の休息に、エリートオペレーターたちは時折ここに集って小さなパーティーを開いたり、ただ腰を下ろして美酒を一杯傾け、張り詰めた神経を少しだけ和らげたりする。
こういう時、彼らは決まってケルシーにも声をかける。
彼女が実際にここに姿を見せることは決して多くはなく、大抵は医療部の業務やその他の緊急案件を理由に欠席するが、それでもこの「声をかける」という行為は廃れることなく、今でもエリートオペレーターたちの間で暗黙の習慣となっている。
アーミヤ
『実は、皆さんの身体を気遣って、Touchさんがよくテーブルに置いたお酒を全部ノンアルコールにすり替えたりするんですよ。』
『LogosさんとScoutさんは昔、ここでよくゲームで勝負していて、負けた方が勝った方の任務報告を代わりに書いていたんですよ。』
エピローグ
ドクター
『今回は二人ともお疲れ様、アーミヤ、サベージ。』
アーミヤ
『まさか、ケルシー先生がこんなにたくさんのことを経験されていたなんて……』
ドクター
『今回我々が知ったことも、彼女の経験のほんの一部に過ぎないかもしれない。』
『だが、前よりは彼女を理解できた。そうだろう?』
アーミヤ
『はい!』
『さて、ドクターも長旅で疲れたでしょうし、ここ数日はゆっくり休んでくださいね。』
図鑑(ネタバレ注意)
景品(参考画像)
抽選で当たる景品(大陸版グッズ)・「足跡」特典アクリルフォトカード
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| 朝陇山26 May.|7周年庆典 https://weibo.com/6441489862/QDb1mujnS ※「EP17相変臨界」ネタバレ注意 |











































